曇り

斎藤環 酒井順子『「性愛」格差論』

「性愛」格差論―萌えとモテの間で (中公新書ラクレ)

 購入。
 (最近はさすがに少し下火になってきたけど)よく言われる経済格差が広がってる云々という話は、実際には大して重要な問題ではないんではないか、というのは、その通りと思う。それよりいま問題なのは、この本の中でも少し触れられているけど、「普通」の人々の考えや気持ちを表象するものがない、ということだ。何かワケありの人のための言葉ばかり満ち溢れている。もちろんそれはそれで必要なんだろうけど。

 この本の本筋とは関係ないけど、おたくが性的弱者ということが強調されてるけど、一方で彼らはものすごい自信家で、ナルシシスト。その点をどう考えるか。
 でもまあ、おたくなんて、ほんとうはどうでもいい。この国において、ほんとうのメジャーカルチャーは、著者たちがいうとおり、ヤンキーなのだ。アイドルだって、おたく系の文化になったのは比較的最近の話で、本来はヤンキー文化に属する。いまだに根強く特攻服はいるし。AKB48はおたくよりすぎるね。

 Berryz工房に関する言及あり。