青山ブックセンターが一瞬で消滅

 宮益坂上のポポロマーマでめしを食った後、青山ブックセンター本店へ行く。が、照明が落ちていて、本棚が空になっているのが見える。18日は全館休業とは聞いていたが、今日休みというのは変。月末でもないのに棚卸し?どうも様子がおかしい。エスカレーターで下に降りてみると、今日で閉店と貼り紙がしてあって驚く。まったくそんな話は聞いていなかった。

 で、帰宅してネットを覗くとこれ。

http://www.asahi.com/national/update/0716/032.html

 店のウェブサイトもきれいさっぱりなくなっていた。
 あまりにもあっという間であっけない最期。単に一書店の倒産という以上に、東京という街にとって、かなりの文化的損失と言っても過言ではない、と思う…なんていっても、以前からいまどきあんなんで大丈夫なのかなっていう懸念はあったんだよな。最低でも週に一回は必ず寄ってはいたけど、実際にあそこで本を買うか?と言ったら、立ち寄った頻度に比べると、かなり少なかった。単に眺めているぶんには、すごしやすい空間ではあったが、本当に買う本があるかどうかという点では、けっして便利な書店ではなかった。80年代サブカルニューアカあたりのスカしたノリをずっと引きずったまま。いまどき「定本柄谷行人集」あたりが平積みになってもね。唐沢俊一氏が、だいぶ前の日記で、「青山ブックセンターあたりをみていても、今の出版状況はわからない」みたいなことを書いていたけど、もうその時点で今日の事態は予想できていたはずだった。
 それにしても、比較的新しい青山本店はともかくとして、六本木の店がなくなるのは、かなりインパクトが大きい。かつて、あの店とWAVEを結ぶラインがかもし出していたテンションが、六本木という地名に特別なオーラを与えていた。東京は世界の最先端、みたいなたわごとを、つい信じてしまいそうになった。そういう時代があった。今となっては、Complexなんて、何で六本木みたいな場所にあるんですか?みたいなことになりそうだ。WAVEがなくなったときは、まだ別れを惜しむ余裕があったが、今回はまるでテロのように突然。